
カメラマンとして撮影の仕事をしていると、「どうやったらきれいな写真が撮影できますか?」
「最近のカメラは性能がいいから、自分で撮影できますか?」
または、「自分で撮影するのですが、思うように撮影できないんです」
こんな話しをよく聞きます。
本当にそうなんでしょうか?
私がこれまでプロカメラマンとして、撮影してきたノウハウの全てをここでお伝えしたいと思います。
まず、もっとも大切なことからお伝え致します。
「誰のための写真ですか?」
「プロが撮影したような、写真が本当に必要ですか?」
これは、今後の撮影に、最も大切なポイントになります。常に意識して下さい。
次に、いきなり結論をお伝え致します。
「五感をかきたてる写真」「イメージできる写真」
これが、皆さんが目指すべき写真です!
この意味や、方法はこれからお伝え致します。
ここまで読まれて、「なんか撮影って難しそうだな?」、「初心者には無理?」思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご安心下さい。まったく問題ありません。
カメラの基礎、撮影のポイント、コンセプトさえわかれば、あなたも「今から」できます。
さて、ここからが本題です。一番大切なことから、順番に説明致します。
「誰のための写真ですか?」
「プロが撮影したような、写真が本当に必要ですか?」
このページをご覧頂いている方々は、商品撮影が目的の大半だと思います。
趣味の撮影のため、ではありません。
つまり、自社の商品を販売するために、写真が必要になるはずです。
こうした写真は、写真のグレードを問うものではありません。
まして、写真を作品として何かに応募するような、たぐいのものでもありません。
写真のことを詳しくない、一般の方(未来のお客様)のための写真です。
お客様が、あなたの写真を見た時に「素敵!」「美味しそう!」「使ってみたい!」
こんなふうに、思っていただくための写真です。
つまり「お客様の五感を刺激する写真」であれば、奇麗に撮影する必要はない訳です。
これがノウハウの全てと言っても、過言ではありません。
大切なことなので、何度も言います。「誰のための写真ですか?」
さらに話しを進めて行きます。
写真はよく「引き算の芸術」って言われています。
この意味をイメージできますか?
例えば、あなたが今大平原にいてるとします。
あなたは、この素晴らしい風景を写真に残しておきたいと、考えています。
あなたなら、どうしますか?
私なら、まずテーマを考えます。「今回は大平原の中にある、小さな美」みたいな。
大平原をよく観察すると、小さな草花がありました。これにフォーカスし、この草花を通じて大平原の奥行きを表現する。
ここまで決まれば、後はこのテーマを表現できるアングルや場所を探すだけです。
できた写真は、草花にピントが合い、バックはボケたイメージになるでしょう。
この作業が「引き算」です。つまり主題を明確にするために、よけいなものをどんどん省くのです。
つまり全て(大平原)を表現するために、あえて全てを見せないと言うことです。
写真を見る人の、イマジネーションに残りを任せるのです。
「以前行った旅行先」をイメージするかもしれません。「テレビで見た場所」をイメージするかもしれません。
その写真を見た人が、イメージをドンドン掻き立てられる。
さわやかな風を感じるかもしれません。のんびりとした気持ちになるかもしれません。。
これが「五感を刺激する写真」と言うことです。
もう判りましたか?
これを貴方が販売したいと思う商品撮影に、応用すればいいのです。

その商品を熟知している、貴方だからできるのです。
「この商品は屋外で使う」「親子で使う」。。
「公園をバックに、お母さんの手元に持ったとこがいい」
「でも手間がかかるなー」「モデルもいるしなー」そう思ったあなた。
想像力と工夫が足りません。
撮影と言う作業は、ペンキ塗りと同じです。
ペンキを奇麗に塗るコツは、下地を整え、マスキングテープで奇麗に養生することです。
そこまでできたら、プロのペンキ屋さんと同じように、ペンキが塗れます。
撮影においても、同じことが言えます。
シャッターを押すまでに、いかに準備するかが大切なんです。
モデルがいなければ、友人や奥さんがいます。
アングルやトリミングを工夫すれば、きっと素晴らしい撮影ができます。
これがわかれば、あなたはプロカメラマンの基礎を理解したことになります。
後は、カメラの基礎と撮影のポイントだけでいいのです。
ここからは、基礎編に入っていきますね!
1)カメラの種類について
カメラには、大きく分けてフィルムタイプと、現在主流のデジカメがあります。
さてここで質問です。10年前のフィルムカメラと、最新タイプのデジカメ。
どちらが奇麗に撮影できると思いますか?
「それは、今のデジカメやろ。。」
残念ながら、間違いです。
最新の一眼レフデジカメでは、2000万画素を越えるハイスッペクですが、実はフィルムをこの画素数に換算すると、1億万画素を越えると言われています。
また、諧調性(グラデーション)の表現においても、フィルムの方が数段上なんです。
今世紀以内に、フィルムを越えるデジカメが出るか?言うレベルの違いなんです。
意外でしたか?
それなら、デジカメよりもフィルムの方がいいの?
これも違います。
この話しは、知識の片隅に入れて頂ければいいだけです。
画像加工や撮影費用を考えれば、デジカメを使うしかありません。
特にWebで使用する場合なら、2000万画素も必要ありません。
一般的な800万画素もあれば、十分なスペックです。
2)デジカメの種類について
大きく分けて3種類です。
・一眼レフタイプ(レンズ交換出来るもの)
・コンパクトタイプ(レンズは交換出来ないが、携帯に便利なもの)
・携帯電話のカメラ
それぞれ、長所、短所があります。ようは何をメインにして撮影するかです。
商品撮影限定で、お勧めとなると、やはり一眼レフタイプになります。
他では、絶対ダメと言うものでは、ありませんが。。
(キャノンかニコンか?などメーカーは好みです)
一眼タイプとコンパクトでは、同じ画素数でもセンサーの大きさが異なります。
少し専門的になりますが、デジカメではフィルムに該当するセンサーの大きさが、解像度に大きく関わります。
一眼タイプは、35・フィルムと同程度の大きさのセンサーを備えています。
コンパクトタイプでは、切手程の大きさのセンサーになります。(携帯はさらに小さい)
同じ1000万画素でも、センサーの大きさが異なります。
もちろんセンサーが大きな方が、諧調も豊かになり、ボケも大きく表現できる訳です。
次に画像形式の多様性にも、差があります。JPEGのサイズはもちろんですが、
LAW形式があるのが、一眼タイプの大きなメリットになります。
3)画像形式(JPEGとLAW)について
詳しく書くと、あまりに専門的になるので、ここでは特長についてだけお伝え致します。
JPEGは撮影したデーターをカメラ内で現像して、圧縮したものです。
サイズが比較的小さく、撮影枚数が多くなります。(LAW形式に比べて)
短所としては、画像加工をすればするほど、画質が劣化します。
また、WB(ホワイトバランス)など、後での変換許容量に限りがあります。
LAW形式とは、現像前のデーターと言うことです。
分かりやすく言うと、撮影したデーターはカメラでは現像処理をしていません。
生のデーターとも言えます。
パソコンに取り込み、専用ソフトで現像作業が必要となります。
手間はかかりますが、画像加工にも劣化せず、WBも容易に変更出来るのが、最大のメリットになります。
色にこだわる撮影の場合、お勧めの形式です。
デメリットとしては、一枚のデーターが大きいため撮影枚数が少なくなります。
照明の種類にこだわらず撮影できますので、商品撮影の場合には非常に便利な形式と言えます。
4)ISO感度と露出補正にいついて
ISO感度は「感度」と言う意味の通り、明るさに応じた撮影感度と言うことです。
撮影シーンによって、いろいろと選択するわけですが、今回は商品撮影の場合で説明いたします。
商品撮影の基本ISO感度は400と覚えて下さい。問題は露出補正です。
カメラ内蔵の露出計は、白い被写体も黒い被写体も灰色になるように設計されています。
つまり、白い面積の多いものは、暗くなり。黒の面積の多いものは、明るくなります。
これを補正する作業が、露出補正です。
基本は白の面積が多いものはプラス補正(+EV)、黒はその逆のマイナス補正(-EV)
撮影後、画像処理でも補正は可能であるが、限界があります。
撮影時点で適正露出撮影が基本です。
白飛びは、後で補正も出来ないので注意して下さい。
※白はデーターが無いので修正出来ない
5)カメラの設定について
・ISO感度は400(状況により後で変えても可能)
・フラッシュ(内蔵ストロボ)は常に発光禁止
・ホワイトバランス(WB)はオート設定が基本(中級者はマニュアルも活用下さい)
・撮影モードはマニュアル
・セルフタイマーは是非活用して下さい(手ぶれ防止に有効)
※上記設定は、商品撮影時の基本です。状況により変動致します。。
6)商品撮影のポイント
商品を立体的に撮影する。
照明のアングルで商品を立体的に出来ます。正面(カメラ側)からの照明は、全体的に光が届くが、立体感が出ません。
後ろや斜め横など、照明のベストアングルを調整して下さい。
尚、暗くなる部分には、レフ板などで補うことも重要です。
商品撮影は、背景や小物に工夫して下さい。
その商品の魅力をより引き立たせるためには、脇役が重要です。
また、背景を変えるだけで、イメージが大きく変わります。
写真にあなたのこだわりを表現して下さい。
主体とな商品を出来るだけ大きく撮影して下さい。
時には、画面からはみでるぐらいまでアップにする。
全てを写真に写すことよりも、見た人がイメージ出来る方が効果的です。
※写真は引き算の芸術って言いますから。。。
極端に小さな商品(指輪やアクセサリー類など)を撮影する場合は、マクロモードで撮影して下さい。
なお、レンズの前に虫眼鏡を軽く押さえ付けて撮影することも出来ます。
この場合、レンズと虫眼鏡の中心を合わせるのがコツです。
手ぶれには、もっとも気を付けて下さい。
商品撮影では、是非三脚をご利用下さい。この場合でもセルフタイマーは有効です。
価格は安いものでいいですが、高さや縦、横の調整しやすいものを選んで下さい。
7)照明について
商品撮影には、照明は不可欠です。
では何を使えばいいのでしょうか?
最近よく聞く話しですが、カメラショップの店員に相談して、カメラ専門のライト(ブルーの照明)を買ったのですが、奇麗に撮影出来ないんです。。こんな話しがあります。
私から言わしてもらえば、まったくの間違いです。
このライトは、フィルムカメラに合うように色温度を設定されたものです。
照明を検討する場合、撮影する場所も考慮にいれなければなりません。
事務所で撮影される方が、多いと思いますが、事務所の照明器具はなんですか?
ほとんどが、蛍光灯だと思います。
そうであれば、撮影の照明器具も蛍光灯タイプが最も使いやすいです。
室内が蛍光灯で、照明器具が他のものであれば、ミックス光となりWBが難しくなるからです。
人物集合写真撮影する場合など、蛍光灯タイプでは光量不足の場合があります。
この場合は、モノブロックタイプの大型ストロボが必要になりますが、一般的ではありません。
商品撮影の場合は、蛍光灯照明を活用しましょう!
フィルムの時は、蛍光灯の光ではうまく撮影出来ませんでした。専門的には色温度の違いって言います。
でもデジタルカメラは、蛍光灯の光と相性抜群。卓上タイプなら格安であります。
撮影照明機器としては、RIFAが有名ですが、他にも同様の商品があります。
貴方が撮影したい商品の大きさで、照明をチョイスすればいいのです。
※光より影に注意しましょう!
それでは蛍光灯を、四方八方に置けばいいのか?
残念ながら違います。立体感や臨場感が表現出来ません。プロは光の強弱をつけ意図的に影を作り、
その商品を表現致します。その方法としてレフ板を活用します。
※写り込みの対処法
ステンレス商品や、貴金属。プロでも頭の痛い撮影です。
アングルや照明、小道具で写り込みを少なくは出来ます。しかし完全には無理。
では、どうするか?意図的に写り込ませ、商品のイメージを作ります。
又は、写り込みを最小限にし、フォトショップなどで加工します。
※撮影の極意?
基本だけを理解し、後は数をこなす!
昔から、急げば回れって言いますよね!
簡単に上達出来る方法など、ありません。
他の写真をよく研究し(時にはパクる)真似ることからやってみて下さい。
ここまで判れば、後は実践のみ。
「五感を刺激する写真」を目指し、頑張って下さい。
もし判らないことがあれば、遠慮なく聞いて下さいね!
最後に、撮影をカメラマンに依頼される場合のポイントについて。
もし、貴方が撮影をプロカメラマンに依頼される場合、以下のことをチェックしてみて下さい。
まず、あなたの話しをどれだけ詳しく聞いてくれるか?
話しも聞かず、「全てお任せ下さい!」これは論外です。
カメラマンは貴方に成り代わり、その商品を撮影する訳ですから。
商品や内容も判らずに撮影など、出来ません。
撮影するにあたり、どれだけ提案してくれるか?
いろんな撮影経験があります。その経験をどれだけ提案してくれるか?
時には、貴方が考えてもいなかったような、撮影を提案してくれる場合もあります。
たとえ、今回の意図に合わなくても、こんな提案してくれるカメラマンなら安心できます。
価格は高い方が、いい写真を撮影してくれるのか?
これも、そうとは言えません。
撮影価格には、スタジオ経費や、機材の原価消却も含まれています。
撮影内容とは別の要素があるのです。
逆も言えます。安ければいいと言うものではありません。
ようは、ちゃんとフォローしてくれて、納得出来る価格である。
こんなスタジオに依頼すべきです。
ここまでの内容が、あなたのビジネスにお役に立てれば幸いです。
最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。









































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